​SPII編集部

お屠蘇のひみつ

2017/12/27

クリスマスも終わり、今年も残すところ数日となりました。お正月を迎える準備で慌ただしくなりますね。

 

昔から、元旦には「年神様」(としがみさま)という新年の神様が高い山から降りてきて、1年の幸福をもたらすために各家庭にやってくるとされています。年神様を迎え入れてお祝いし、たくさんの幸せを授けてもらうために、日本ではいろいろな正月行事や風習が伝えられてきました。

 

 

お屠蘇の由来

 

 

年神様をお迎えする準備は、1年の汚れを落とす「煤(すす)払い」から始まります。江戸城で12月13日に行われていたことから、正月の準備にとりかかる日とされているのだそうです。

「門松」は年神様が迷うことなくいらっしゃる目印として、家の門の前に立てるお正月の飾り物です。

そして「おせち料理」は、年神様へのお供え料理であり、また家族の幸せを願う縁起ものの料理です。五穀豊穣、家族の安全と健康、子孫繁栄の祈りを込めた料理を豊富に盛り込みます。

 

おせち料理の他にお正月にいただくのが「お屠蘇」。

お正月に一年間の邪気を払い、無病長寿を願って飲むお屠蘇は、酒やみりんに5〜10種類の生薬を浸け込んだ薬草酒です。正式には「屠蘇延命散(とそえんめいさん)」と呼ばれています。

 

「屠蘇」という言葉には、「屠」には邪気を屠る(ほふる)、「蘇」には「魂を蘇らせる」という意味があり、お正月にお屠蘇を飲むと、その年の邪気を払い健康に過ごせると言われています。

もともと唐の時代の中国より伝えられ、平安貴族の正月行事に使われていました。そして江戸時代に一般庶民の間にも広まったのだとか。

 

 

来年は手作りしませんか?意外と簡単にできるお屠蘇

 

屠蘇散の中身は、漢方薬に使われる5~10種類の生薬が使われます。特に決まった処方はなく、一般的には「防風(ボウフウ)」「山椒(サンショウ)」「肉桂(ニッケイ)」「桔梗(キキョウ)」「白朮(ビャクジュツ)」「大黄(ダイオウ)」「陳皮(チンピ)」などが使われています。使われている生薬によって効能に違いがありますが、健胃作用や発汗促進、風邪予防などの効果がが期待できます。寒い時期ですし、普段より食べ過ぎ、飲み過ぎにもなりやすいため、健康を気遣つという意味もあったんですね。
 

生薬を一から準備するのは大変…と思うかもしれませんが、大丈夫です。屠蘇散はスーパーやドラッグストアで販売しています。また、年末に日本酒や本みりんを買うと、屠蘇散がおまけでついてくることもありますよ。

 

日本酒と本みりんを合計300ml程度にし、そこに屠蘇散を浸します。
日本酒が多いと辛口に、本みりんが多いとまろやかな甘口に仕上がります。
5~8時間浸してエキスを抽出したら、屠蘇散を取り出して出来上がり。
大晦日の夜に浸し、元旦の朝に取り出していただきましょう。

 

 

健康を願って― 正しくお屠蘇を飲もう

 

 

お屠蘇を飲む前に若水(元日の朝に汲んだ、その年初めての水の意)で手を清め、神棚や仏壇を拝み、家族が揃ったら新年のあいさつを済ませます。お屠蘇はおせちやお雑煮を食べる前にいただきます。

 

お屠蘇を飲む時は、家族全員で東の方角を向き、最年長者が最年少者に注ぎます。そして年少者から年長者へと盃を順番に進めます。普通は年長者から盃を下げていきますが、お屠蘇の場合は若者の精気を年長者に渡すという意味が込められているのと、毒見の名残と言われています。厄年の人は厄年以外の人に厄を祓う力を分けてもらうため、最後に飲みます。

 

飲む時には、「一人これ飲めば一家苦しみなく、一家これ飲めば一里病なし」と唱えます。
元日だけでなく、正月三が日の来客時の初献にお屠蘇をすすめて新年のお祝いの挨拶を交すのが礼儀とされています。

 

縁起物のお屠蘇。来年のお正月は、手作りをして無病息災を祈りませんか?

 

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